スーツのボタンマナーで最も差がつくのが、直立状態から着席、そして再び立ち上がる際の「開け閉めの動作」です。欧米のビジネスエリートの間では、椅子に腰掛ける瞬間にジャケットのボタンを外し、立ち上がると同時に留め直す一連の動作が自然なエチケットとして身についています。
スーツ座るときボタン外す理由は、主に3つの実用的なメリットがあるからです:
- ジャケットの型崩れとシワの防止:ボタンを留めたまま座ると、胸元や腹部に強いテンションがかかり、前身頃が大きく浮き上がって無様なシワが刻まれます。
- ボタンの破損や糸の緩み防止:腹部の圧迫によってボタン付け糸に強い負荷がかかり、ボタンが弾け飛んだり生地が破れたりするリスクを防ぎます。
- 着席時の窮屈さ・圧迫感の緩和:ボタンを全開にすることで、背筋を伸ばした美しい着席姿勢を保ちやすくなります。
ビジネススーツボタン開け閉めマナーの基本動作は「立つときは留める、座るときは外す」です。商談相手のオフィスに案内され、「どうぞお掛けください」と勧められたタイミングで、椅子の前で立ったまま片手で自然にフロントボタンを外し、静かに着席します。そして商談が終わり、「本日はありがとうございました」と立ち上がる動作の中で、視線を相手に向けたまま片手で上ボタンをスッと留めるのが最も洗練された所作です。
ただし、男性就活スーツボタンマナーにおいては特有の配慮が求められる場面があります。伝統的な日本の面接会場では、面接官が年配の厳格な人物である場合、「面接中にボタンを外す=だらしない・リラックスしすぎている」と誤認されるリスクがゼロではありません。そのため、就職活動の面接室内に限っては、着席時も一番上のボタンを留めたままピンと背筋を伸ばして乗り切る就活生が多く見られます。入退室の歩行時や起立時の挨拶では、必ず2つボタンの「上のみ」を確実に留めておくことが鉄則です。