すずめの戸締まりダイジンの正体とは?要石の過去と切なすぎる結末を考察

すずめの戸締まりダイジンの正体とは?要石の過去と切なすぎる結末を考察

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物語の冒頭、すずめが廃墟の水たまりで引き抜いてしまった奇妙な石――それこそが、日本列島を地下で蠢く巨大な災厄のエネルギー体「ミミズ」を地中に押し留めていた西の要石、すなわちダイジンの本来の姿でした。封印を解かれた要石は、すずめから「うちの子になる?」と声をかけられ、煮干しをもらったことを契機に、意志を持つ生きた白猫の姿へと変貌を遂げます。

ダイジンがすずめに執着し、宗像草太を「邪魔」として椅子の姿に変えて要石の役目を押し付けた最大の目的は、「すずめの子どもになり、神の重責から解放されて愛されること」でした。数百年にわたり冷たい地中で孤独に災害を抑え続けてきた要石にとって、すずめから向けられた無邪気な優しさは、神としての宿命を捨ててでも手に入れたい温もりだったと解釈できます。

しかし、ダイジンの行動は単なる利己的な逃避にとどまりませんでした。草太を椅子に変えて逃走しながらも、全国の「後ろ戸」が開く場所へとすずめを先回りして誘導していた事実は見逃せません。ダイジンはすずめを危険に晒す悪役ではなく、結果としてすずめを「閉じ師」としての覚悟へと導く道先案内人(トリックスター)の役割を果たしていたのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。