反町隆史のラストランとなった2022年3月23日放送の『season20』第20話(最終回スペシャル「裏返し」)は、緻密な伏線回収と胸に迫る幕引きによって、ファンの間で「歴代屈指の名卒業回」と称賛されています。
物語の鍵を握ったのは、かつて冠城亘の直属の上司であった法務省元事務次長・日下部彌彦(榎木孝明)の存在でした。日下部は以前から冠城の規格外な情報収集力と胆力を高く評価しており、水面下で公安調査庁への移籍を打診していました。
警察組織の枠組みにとらわれず、国家安全保障の最前線で独自の正義を追求できる公安調査庁。冠城は特命係で培った「法と真実へのこだわり」を胸に、自らの意志で新たな道を選択します。この移籍劇は、法務省から警察庁への出向、そして警視庁への正式採用という冠城亘ならではの特異なキャリアパスを綺麗に回収する極めて自然なプロットでした。
とりわけ視聴者の涙を誘ったのが、特命係の部屋で交わされた右京との別れの対話です。常に感情を表に出さない杉下右京が、去りゆく冠城に対して発した言葉は異例のものでした。
「もう少し、一緒にやりませんか……」
歴代相棒の誰に対しても引き止めを行わなかった右京が、初めて見せた本音の寂寥感。これに対し、冠城は柔らかい笑みを浮かべ、「最高のはなむけの言葉です。僕の胸に大切にしまっておきます」と応じて一礼し、部屋を後にしました。ネット上では「右京さんにここまで言わせた冠城亘は本物」「涙腺が完全に崩壊した」と絶賛の声が溢れ返りました。