伊勢湾岸道が「走りやすいのに極めて危険」と言われる背景には、道路工学と交通特性が絡み合う特有の事情があります。現場を日常的に走行する長距離トラックドライバーの手記や証言によると、「片側3車線で直線主体のため平均速度が上がりやすい反面、大型車の車線変更や減速への反応が一歩遅れやすい」という実態が浮き彫りになっています。
第一の要因は、圧倒的な大型車混入率の高さ(全交通量の約40〜50%)です。三大都市圏を結ぶ東西物流のメインルートであるため、深夜から早朝にかけて重量級の大型トレーラーが車線を埋め尽くします。車間距離を詰めた車列のなかで1台が急ブレーキを踏むと、後続車が玉突き事故を起こしやすい環境が常態化しています。
第二の要因は、地形と構造設計による速度低下です。特に豊田東JCTから四日市JCTにかけては、複数の高速道路が合流・分岐する結節点であり、インターチェンジ周辺には緩やかな勾配(サグ部)が存在します。ドライバーが無意識に減速し、後続車が連鎖的にブレーキを踏むことで、明確な事故がなくても突発的な自然渋滞が発生します。
道路管理者の公開データや警察の統計資料を精査すると、追突事故や車線変更時の接触事故が全体の半数以上を占めています。「広くて走りやすい」という心理的油断が、かえって重大事故を引き起こす引き金になっているのが現場の客観的事実です。