鹿児島市平川町に位置する烏帽子山最福寺の護摩堂は、日常の平穏とはかけ離れた異様な熱気に満ちている。高野山真言宗の大僧正である彼が実践してきた修行の中でも、とりわけ人々の度肝を抜いたのが「百万枚護摩行祈願」だ。
数メートルにも及ぶ火炎の前に何時間も座り込み、膨大な数の護摩木を炎の中に投じ続ける。吹き出す汗は瞬時に蒸発し、皮膚は赤く焼けただれ、煙によって視界が奪われる極限状態。肉体の限界をとうに超えた領域で続けられるこの荒行は、単なる精神修養の域を脱し、宗教界・仏教界においても前例を見ない過酷な儀式として知られている。この極限の祈りにこそ、迷える権力者や勝負師たちを惹きつけてやまない魔力が宿っていた。