ネット上の言説や掲示板では、「座り込み参加者は日当をもらって動員されている」「抗議活動をしているのは県外の過激派ばかりだ」という噂が頻繁に語られます。しかし、地元紙の長期密着取材や現地調査において、組織的な日当支払いの証拠が確認された事例はありません。参加者の大半は年金を原資にした高齢者や、自腹で交通費を出して集まる市民ボランティアであり、日当説は運動の正当性を貶めるための根拠なきデマであると結論付けられています。もちろん本土からの支援者や活動家も含まれていますが、中核を支えているのは名護市や周辺自治体に暮らすウチナーンチュ(沖縄県民)自身です。
また、近年の最大の法的分岐点となったのが、地方自治法に基づく辺野古設計変更 代執行の強行です。軟弱地盤の発覚に伴い、沖縄防衛局は設計変更承認を沖縄県に申請しましたが、玉城デニー知事は不承認を貫きました。これに対し国は県を相手取って訴訟を提起し、裁判所の判決を経て、2026年末に国土交通相が知事に代わって設計変更を承認する「代執行」に踏み切りました。地方自治法成立以来、国が自治体の事務を代執行した初の極めて異例なケースです。
この代執行の法制史的意味は重く、地方分権の理念を根底から揺るがす前例となりました。憲法が保障する地方自治の本旨において、国と地方公共団体は「対等・協力」の関係と定義されていますが、国防や安全保障が絡む局面では国の決定が地方の民意を強権的に上書きできるという実力行使が可視化されたのです。協議会や県民が反発を強める背景には、基地そのものへの反対にとどまらず、民主主義と自治権が踏みにじられたという深い絶望と危機感があります。