物語のクライマックス、ふたりがバイクに二人乗りして海岸線を疾走する光景は、観客の間で今なお多面的な議論を巻き起こしている。あの疾走は現実なのか、それとも傷ついたふたりが脳内で共有した永遠の幻影(ファンタジー)なのか。
コウの首元に光る数珠と、風を切り裂きながら叫ぶ咆哮。別々の道を歩みながらも、お互いの魂の深部に刻み込まれた傷痕を「誇り」として抱きしめて生きていく覚悟。青春の残酷な終わりと、それでも消えない神話の始まり。山戸結希監督が構築した映像美は、予定調和のハッピーエンドを拒絶し、観る者一人ひとりの胸に鋭いナイフを突き立てる。