次期型タントにおける技術的ハイライトの筆頭は、間違いなく電動化パワートレインの刷新です。ダイハツが小型SUV「ロッキー」で実用化した100%モーター駆動システム、すなわちタント e-SMART HYBRID搭載がついに軽自動車クラスへ初展開される見通しとなっています。
このシステムは、直列3気筒1.2Lエンジンを発電専用として用い、走行はすべて高出力モーターが担うシリーズ方式を採用しています。軽自動車枠に収めるにあたっては、排気量を660ccにダウンサイジングした新開発の発電専用エンジンが組み合わされる見込みです。発進時から最大トルクを発生するモーター駆動特有の滑らかな加速フィーリングは、ストップ&ゴーの多い市街地走行において絶大なアドバンテージをもたらします。
競合他車との差別化という点でも、このハイブリッドシステムの投入は強烈なインパクトを持ちます。現在スーパーハイトワゴン市場を牽引するホンダ・N-BOXは現行型でも純ガソリン車(NAおよびターボ)にこだわり続けており、スズキ・スペーシアはISG(モーター機能付発電機)を用いたマイルドハイブリッドを採用しています。以下のデータ比較表は、主要3車種のパワートレイン構成および燃費・実力値を整理したものです。
N-BOX スペーシア 燃費比較という熾烈な競争において、ダイハツが本気のシリーズハイブリッドを投入することは、ゲームチェンジャーになり得る強力な一手です。静粛性の向上とEV感覚のドライバビリティは、子育て世代の送迎から長距離のドライブまで、日常の運転ストレスを大幅に軽減するポテンシャルを秘めています。