カ変を完全に攻略する第一歩は、現代語(口語文法)と古文(文語文法)の活用パターンを明確に並べて対比することです。どちらも母音変化が激しい点では共通していますが、終止形や命令形において決定的な違いが見られます。
口語文法における現代語のカ行変格活用は「こ・き・くる・くる・くれ・こい」のリズムで親しまれています。一方、古典文法カ変動詞である「来(く)」は「こ・き・く・くる・くれ・こ(こよ)」と推移します。最大の違いは、終止形が「く」で終わる点、そして命令形に古代東国方言や上代特殊仮名遣いの名残である「こよ」を併せ持つ点です。
上記のカ変活用表を俯瞰すると、語幹と活用語尾が分離できないという共通項が確認できます。例えば五段活用の「書く」であれば、語幹「書(kak-)」を残して語尾が「-a, -i, -u, -u, -e, -e」と変化しますが、「来る」は文字そのものが「こ・き・くる」と根本から姿を変えます。この根本的変化こそが、学校教育で「変格」と呼ばれる所以です。