午後1時30分。銀座4丁目の交差点を行き交う群衆のなか、スマートフォンで予約画面を確認しながら雑居ビルのエレベーターに吸い込まれていくスーツ姿の男女がいる。目指すは、会員制のプレミアム・ナッピングルームだ。
分刻みのスケジュールに追われるトレーダーやコンサルタント、あるいは長時間の商談を終えた起業家たちが買い求めるのは、豪華なランチではなく「完全なる遮音と闇」である。1分単位で課金される個室ブースには、無重力姿勢を再現するリクライニングチェアと、個人の自律神経データに連動して音波と光を制御する最新ポッドが備え付けられている。わずか15分の滞在で数千円を払う顧客たちは、「午後の集中力がまったく別物になる」と口を揃える。