撮影現場は、常に緊張感と即興のアイデアが飛び交う真剣勝負の場だった。「アニキ!」と慕うアキラの甲高い呼び声や、ふたりのコミカルで哀愁漂うやり取りの多くは、台本の枠を超えた生々しいアドリブから生まれている。水谷豊は後年の回想で、萩原健一の型破りな演技に喰らいつくため、全神経を研ぎ澄ませてカメラの前に立っていたと明かしている。
有名なエピソードとして、感情が極限に達する格闘シーンや喧嘩の場面では、事前に取り決めた以上のリアルなぶつかり合いが多発した。カメラが回ると怪我も辞さない勢いで互いの身体をぶつけ合い、カットがかかった瞬間に笑い転げる。妥協を一切許さないふたりの熱量こそが、今も語り継がれるリアリティを生み出した。