秋田県南部・湯沢市稲庭町に伝わる稲庭うどんは、讃岐うどん、水沢うどん(諸説あり)と並び称される日本三大うどんの一つです。その起源は江戸時代初期の寛文年間に遡り、かつては秋田藩主・佐竹公の御用処として、一般庶民の口には滅多に入らない「門外不出の幻のうどん」とされていました。この秘伝の製法を受け継ぎ、万延元年(1860年)に創業したのが「八代目佐藤養助」です。
佐藤養助の秋田における稲庭うどんの歴史を語る上で欠かせないのが、「手綯い(てない)手延べ」と呼ばれる一切の妥協を排した職人技です。厳選された小麦粉と塩水のみを使用し、練り、熟成、手綯い、延ばし、乾燥に至る全工程におよそ3〜4日間の時間を費やします。麺の内部に微細な気泡を無数に抱え込ませることで、茹で上がった瞬間に絹糸のような光沢を放ち、噛めば心地よい弾力、飲み込めば滑り落ちるような極上の喉ごしを生み出します。
明治時代には宮内省(現・宮内庁)への御用を賜り、大正時代には博覧会で最高賞を受賞するなど、その品質は国の内外で高く評価されてきました。銀座店では、本場秋田の総本店と同じ技と品質管理が徹底されており、東京の中心にいながらにして160余年の歴史が育んだ本物の「八代目佐藤養助 稲庭干饂飩」をそのまま堪能することができます。