注水すすぎとは?ためすすぎとの違いや水道代の差、正しい選び方を解説

注水すすぎとは?ためすすぎとの違いや水道代の差、正しい選び方を解説

注水すすぎとは?ためすすぎとの違いや水道代の差、正しい選び方を解説とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

洗濯機における「すすぎ」の役割は、本洗いで繊維から浮き上がらせた汚れと、投入した洗剤成分を衣類から完全に分離・排出することにある。このすすぎ工程には、主に「注水すすぎ」と「ためすすぎ」という二つの根本的に異なる方式が存在する。

注水すすぎとは、洗濯槽に規定量の水を溜めた後も給水を止めず、水を連続的または断続的に注ぎ足しながらパルセーター(回転翼)を回し、オーバーフローした水を排出しながらすすぐ仕組みを指す。常に新鮮な水道水が槽内に供給され続けるため、衣類から出た洗剤の泡や微細な皮脂汚れが水面に浮上し、そのまま槽の外へと溢れ出ていく。川の清流に洗濯物をさらして汚れを押し流す光景に近い物理現象を、洗濯槽の中で再現していると言える。

一方のためすすぎは、設定した水位まで水を溜めた段階で完全に給水を止め、その溜まった水の中だけで洗濯物を撹拌する方式だ。水中の洗剤濃度を水で薄める「希釈」の原理を利用している。ためすすぎが水を使い回して濃度を下げるアプローチであるのに対し、注水すすぎは「新しい水で物理的に押し流し続ける」アプローチであり、汚れと洗剤を取り除く能力において明確な差が生じる。

昨今の洗濯機ですすぎ回数を「1回」または「2回」と設定できるが、標準的な「ためすすぎ2回」と「注水すすぎ2回」では、脱水後に繊維内部に残存する界面活性剤の濃度に約2倍から3倍の開きが出るケースも報告されている。単に水を溜めるか流すかという違いにとどまらず、繊維の奥深くに浸透した化学成分をどれだけ引き抜けるかという決定的なメカニズムの差異が存在する。

吉田 誠
著者

吉田 誠

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。