実車のF2004は現在、フェラーリのヘリテージ部門が管轄する顧客向けプログラム「F1クリエンティ(F1 Clienti)」やマラネロのムゼオ・フェラーリ(フェラーリ博物館)で極めて良好な状態で動態保存されています。専任のメカニックとエンジニアによって整備され、いつでもサーキット走行が可能なコンディションを維持しています。
近年、世界中のモータースポーツファンを感涙させたのが、ミハエルの実子であるミック・シューマッハによるデモ走行でした。2019年ドイツGP(ホッケンハイム)や、2026年のフェラーリ通算1000戦目となったトスカーナGP(ムジェロ)において、ミックは父が駆ったF2004のコクピットに収まりました。
かつて父がタイトルを勝ち獲った真紅のマシンを操り、澄み切ったV10サウンドをサーキット全域に響かせたその瞬間は、単なるメモリアル走行を超え、F1黄金期の魂が次世代へと受け継がれた歴史的名場面として語り継がれています。