韓国語で「愛」を意味する名詞が「サラン(사랑)」です。ハングル表記では子音「ㅅ(s)」と母音「ㅏ(a)」で「サ(사)」、子音「ㄹ(r/l)」と母音「ㅏ(a)」にパッチム「ㅇ(ng)」が組み合わさって「ラン(랑)」と綴られます。発音記号上は鼻に抜けるような「ng」の響きを持つため、カタカナの「ラン」よりも少し奥深い余韻を残すのが本来の音声的特徴です。
語源を探ると、サランという言葉は中世朝鮮語の「サラム(사람=人)」や「サルダ(살다=生きる)」と同根であるという説が言語学的に有力視されています。すなわち、韓国の言語文化において「サラン」とは、単に胸がときめくロマンチックな感情だけでなく、「他者と共に生きること」「人として深く向き合うこと」そのものを内包した重層的な概念なのです。
現代の韓国語教育や辞書的な定義においても、「サラン」は異性間の情熱的な愛だけでなく、親子間の無償の慈しみ、友人同士の篤い友情、さらには神や人類への博愛までを包括する最上位の感情名詞として位置づけられています。