仮面ライダー2号の誕生は、当初の番組企画には存在しない「予期せぬ大事故」が引き金でした。
第9話・第10話の撮影中、主演の本郷猛役を務めていた藤岡弘、(当時・藤岡弘)氏がバイクの転倒事故により左大腿骨を複雑骨折する全治半年の重傷を負ってしまいます。主演不在という番組打ち切りの危機的状況下で、制作陣は「本郷猛はショッカーの別計画を追って海外へ渡った」という設定を生み出し、急遽新たな主人公としてフリーカメラマンの一文字隼人(演:佐々木剛氏)を抜擢しました。
このピンチが、後の特撮カルチャーを決定づける歴史的発明をもたらします。それまでバイクの風圧を受けてベルトの風車を回すことで変身していた1号に対し、佐々木剛氏が自動二輪免許を持っていなかったことから考案されたのが、両手をダイナミックに動かす「変身ポーズ」でした。
「お見せしよう、仮面ライダー!」の掛け声とともに繰り出される変身ポーズは当時の子どもたちの間で爆発的なブームを巻き起こし、最高視聴率30%超を記録する社会現象へと発展。2号の登場と変身ポーズの発明こそが、『仮面ライダー』を国民的長寿シリーズへと押し上げた最大の功績です。