馬酔木の一般的な読み方は「アセビ」、または古名である「アシビ」です。植物学上の標準和名はアセビ(学名:Pieris japonica)で、ツツジ科アセビ属に分類されます。
漢字表記である「馬酔木」の語源は、その強烈な毒性に由来します。「馬が葉を食べると、毒に冒されて足元がふらつき、まるで酒に酔ったような千鳥足になる木」という生態観察からこの漢字が当てられました。また、アセビという発音自体も、足が痺れる木を意味する「足癈(あしじひ)」や「悪し美(あしび)」が転訛したものとする説が言語学・植物民俗学において有力視されています。
春の季語としても名高く、『万葉集』では大津皇子の辞世の句に詠まれるなど、日本の古典文学や近代俳句(水原秋櫻子ら主宰の俳誌『馬酔木』など)において、命の儚さや早春の情景を象徴する花木として定着してきました。