死闘の果て、堕姫は我妻善逸の「霹靂一閃・神速」と嘴平伊之助の連係によって頸を斬られ、ほぼ同時に妓夫太郎も炭治郎と宇髄天元の手によって首を落とされます。二人の頸が同時に切断されたことで、ついに上弦の陸の不死性は崩壊しました。
首だけになり、急速に崩壊していく最期の時間の中で、堕姫と妓夫太郎は互いを罵り合ってしまいます。「あんたなんかが私の兄気なわけないじゃない!」「お前さえ生まれてこなけりゃ俺の人生はもっとましだった」――醜い言葉の応酬を遮ったのは、炭治郎の「嘘だよ、本当はそんなこと思ってないよ。仲良くしよう、この世でたった二人の兄妹なんだから」という静かな制止でした。
炭治郎の言葉にハッとした堕姫は、人間時代の「お兄ちゃん!」という叫び声を遺して一足先に灰となって消滅します。死後の暗闇の中で、生前の梅の姿に戻った彼女は、自分を置いて一人で地獄の業火へ向かおうとする妓夫太郎に泣きついて背中におんぶされ、「ずっと一緒にいるって約束したじゃない!」と叫びます。かつて誓い合った約束の通り、二人は寄り添いながら炎の渦巻く地獄へと歩んでいきました。