シーライダーの最大の魅力であり、リピーターを惹きつけてやまない要素が、体験ごとに展開が変わるランダム分岐システムです。バックストーリーの根幹を支えるのは、舞台となる海洋生物研究所チヂミニウムという架空の物質です。電気を通すと収縮する特殊なマテリアル「チヂミニウム」によって、魚と同じ手のひらサイズにまで縮小された潜水艇「シーライダー」にゲストが乗り込み、人工知能を通じて海洋生物たちと交信する旅に出るという精巧な設定が組まれています。
航行中のシークエンスは、大きく分けて「プロローグ(海への発進)」「メインシーンA」「メインシーンB」「クライマックス」「エピローグ」で構成されています。このうち、途中の寄港地や遭遇するキャラクターがランダムに切り替わる構造となっており、その組み合わせの総数は全32通りにのぼります。ファンの間でも検証が重ねられている代表的な分岐パターンを整理すると、以下のようになります。
- 第1分岐(浅瀬・海草エリア):「ニモ&マーリンとかくれんぼ」パターン、または「ドリーと遭遇して言葉遊びを楽しむ」パターン。
- 第2分岐(広大な外洋・海流エリア):「クラッシュやスクワートとともに東オーストラリア海流を疾走する」パターン、または「エイ先生の引率する魚の学校の課外授業に迷い込む」パターン。
- 第3分岐(クライマックス):「巨大なタコのハンクに捕まり船外へ振り回される」大迫力パターン、ジンベエザメの「デスティニー」とシロイルカの「ベイリー」のエコーロケーション(反響定位)で誘導されるパターン、さらには獰猛なダイオウイカから逃走するスリリングなパターンなど。
登場キャラクターの豊富さもピクサー映画ファンにはたまりません。主役のニモ、マーリン、ドリーはもちろんのこと、アシカのフルークやラダー、愛くるしいラッコの群れ、さらには映画『ファインディング・ニモ』の第1作に登場した歯科医院の姪「ダーラ」が水槽の外から覗き込んでくる激レアな演出も組み込まれています。また、キャビン内から見えるサンゴ礁の形状や、プレショーエリア(待機室)に掲示された海洋生物研究所のモニター映像の中には、精巧にデザインされた「隠れミッキー」が複数仕掛けられており、搭乗待機中から知的好奇心を刺激し続けます。