入学式のスーツ選びにおいて、ネット上の情報で最も流布している誤解が「入学式で買ったリクルートスーツは、そのまま就活本番まで完璧に使い回せる」という言説です。このアドバイスを鵜呑みにしてしまうと、大学3年生の秋以降に思わぬ落とし穴にはまることになります。
第一の盲点は「体型の変化」です。高校卒業直後の18歳から、就職活動が本格化する大学3年生の21歳までの3年間で、生活リズムや筋肉量、食生活の変化によって体重や体型が大きく変わる学生は決して少なくありません。「いざインターンシップに行こうとしたらウエストが入らない」「太もも周りがパツパツになって格好悪い」といった事態が頻発します。
第二の盲点は「生地の経年劣化とテカリ」です。大学生活では、入学式以外にもサークルの総会、アルバイトの面接、成人式後の同窓会、ゼミのプレゼンテーションなど、スーツを着用する機会が散発的に訪れます。安価なポリエステル混紡スーツを頻繁に着用してクリーニングを繰り返していると、お尻や膝の部分に摩擦による「テカリ」が生じ、いざ本番の就職面接という段階で清潔感を損なうリスクがあるのです。
したがって、「就活兼用できるスーツ」を選ぶこと自体は経済的で賢い方針ですが、「過信は禁物であり、就活本番時にフィットしていなければ買い換える前提の初期投資」と割り切るのが、精神衛生上も最も現実的な判断といえます。