海上自衛隊における指揮系統の頂点に君臨するのが海上幕僚長です。自衛隊の階級制度において、一般の将官の最高位は「海将」ですが、幕僚長に就任した将官のみが4つ星(階級章の桜星4個)の特別階級として位置づけられます。この階級は海上自衛官約4万5,000人の中で唯1人だけに与えられる地位です。
海上幕僚長を直接補佐し、庁内の実務全般を取り仕切る要職が海上幕僚副長(海将)です。副長は各部長からの報告を集約し、幕僚長の意思決定を支える実質的なチーフ・オペレーティング・オフィサー(COO)として機能します。
海上幕僚長の歴代ポストを振り返ると、伝統的に護衛艦隊の艦長・司令を歴任した水上艦艇出身者や、哨戒機パイロット出身の航空部隊出身者、潜水艦出身者など、各分野の第一線で卓越した統率力を発揮した将官が任命されてきました。歴代トップの歩みを見ると、防衛大学校や一般大学を卒業後、幹部候補生学校を経て各級指揮官を歴任し、市ヶ谷の海幕防衛部や人事教育部で政策立案に従事した「現場経験と政策調整力の双方を兼ね備えたリーダー」が一貫して選出されています。