水戸一高を語るうえで絶対に外せないのが、大正時代から続く伝統行事「歩く会」です。映画や小説『夜のピクニック』の題材となったことでも広く知られています。
夜を徹して歩き抜く過酷な行程
「歩く会」で踏破する歩く会の距離は約60kmから70km(コースや年次により変動)。朝に出発し、夜を徹して翌日の昼前まで歩き続けるという、高校の学校行事としては全国的にも類を見ない過酷さを誇ります。
途中で足にマメができ、疲労が極限に達するなかで、生徒同士が声を掛け合い、励まし合いながらゴールを目指します。参加した生徒の手記には、「深夜の静寂の中、友人たちと将来の夢や他愛のない悩みを語り明かした時間は、一生の宝物になった」といった記述が数多く見られます。
生徒主体で運営される「自治」の真髄
この行事の驚くべき点は、教員がトップダウンで管理するのではなく、生徒で構成される「歩く会実行委員会」がコース選定から安全管理、タイムスケジュールまで主体的に企画運営する点です。理不尽な強制ではなく、生徒自らが伝統を引き継ぎ完遂させる経験が、強靭な精神力と協調性を育む土壌となっています。