厨房の奥では、毎朝熟練のシェフが十数種類のホールスパイスを手作業で焙煎している。2026年の最新メニューでは、スパイスの鮮度と香りの立ち上がりがさらに研ぎ澄まされた。看板となる自家製ガラムマサラは、シナモン、クローブ、ブラックカルダモンの比率をミリ単位で微調整した門外不出の配合だ。
熱せられたオイルにスパイスの香りを移す「テンパリング」の工程こそ、味の骨格を決める生命線。一口すするだけで、幾重にも重なる香味が時間差で押し寄せる。重厚なのに後味が驚くほど軽やかなのは、油分を極限まで抑え、玉ねぎとトマトの自然なとろみを引き出しているからに他ならない。