大学を卒業し医師国家試験に合格した後の進路設計は、極めて計画的に整備されています。卒業生はまず大学病院や指定臨床研修病院で2年間の初期臨床研修を修了し、その後、産業医学基本講座や後期研修を経て、全国の企業や労働衛生機関へと羽ばたきます。
配属先には、トヨタ自動車、日立製作所、ソニー、三菱重工業、大手総合商社、メガバンクといった日本を代表するプライム上場企業の本社や主要事業所がずらりと並びます。一般的な臨床医が当直や時間外労働に追われる中、専属産業医の勤務形態は原則として平日の日中勤務(いわゆる9時〜17時型)が中心であり、土日祝日休みの完全週休2日制が維持されます。
気になる年収水準ですが、30代前半で大手専属産業医として着任した場合、初年度から1,000万〜1,400万円前後が相場となります。さらに管理職待遇や統括産業医へ昇進することで、1,800万〜2,000万円超に達するケースも珍しくありません。生活の質(QOL)を高く保ちながら高水準の報酬を得られるキャリアパスは、過酷な臨床現場を敬遠する層にとって極めて魅力的な選択肢となっています。