稲川会をはじめとする指定暴力団において、傘下の組員や直参(直系組長)に対して下される懲罰には段階があります。その中でも破門は、組織からの事実上の追放を意味する極めて重い処分です。では、具体的にどのような行為が破門の引き金となるのでしょうか。
関係筋の証言や過去の処分事例を分析すると、主な理由として次の要素が挙げられます。
第一に挙げられるのが「組織方針や執行部への公然たる反逆・内紛」です。六代目体制下における統制方針に従わず、執行部の意向に異を唱えたり、派閥争いから内部の結束を乱したりする行為は最も重く見なされます。
第二に「金銭トラブルおよび上納金の滞納」です。組織運営の根幹を揺るがす会費(上納金)の滞納や、他団体・一般人を巻き込んだ深刻な金銭不祥事は、組織全体の看板に泥を塗る行為として厳しく糾弾されます。
第三に「他団体との無許可の抗争や協定違反」です。特に六代目山口宮や住吉会といった友好団体との平和共存路線が敷かれる中、個人の独断で他団体と決定的な衝突を起こすことは、組織全体を危機に晒す重大な背信行為と判定されます。