金田正一の真骨頂は、何と言っても前人未到の通算400勝記録と、世界最高峰の通算4498奪三振という途方もないスタッツにある。通算防御率2.34という圧倒的な安定感を誇りながら、通算5559回3分の1を投げ抜いたタフネスさは正気の沙汰ではない。完投数は驚異の365試合。現代の先発投手が1シーズンで投げるイニング数を、彼は年間300イニング以上こなすことで何年も継続していた計算になる。
単にボールが速かっただけではない。奪三振の山を築いた最大の武器は、落差の激しいカーブと、打者の手元で浮き上がるような威圧感抜群のストレートだった。失点率を抑え込むマウンド上での執念と、身体の自己管理能力の高さこそが、この驚異的な数字の裏に隠された真実にほかならない。