CMの代名詞ともいえる静かで深みのある語り口は、シリーズ開始から四半世紀にわたって俳優の長塚京三氏が務めました。都会の喧騒の中でふと足を止め、古都の風情に想いを馳せる大人の男性像を見事に体現し、「あの落ち着いた声を聞くだけで京都へ行きたくなる」と多くのファンを魅了し続けました。
大きな転機が訪れたのは2019年春(醍醐寺篇)のことです。25年間親しまれた長塚氏から、実力派俳優の柄本佑氏へとナレーターがバトンタッチされました。この交代は単なるキャスティングの変更にとどまらず、キャンペーンが新たなフェーズへ突入したことを象徴する出来事でした。
交代の背景にあったのは、次の四半世紀を見据えた若年層へのアプローチと旅のアップデートです。シニアやミドル世代の定番旅行先にとどまらず、20代〜30代の現役世代にも京都の奥深さを自分ごととして感じてほしいという制作陣の狙いがありました。柄本氏の肩の力が抜けた自然体で柔らかな声色は、どこか飄々とした親しみやすさを醸し出し、現代のトラベラーの感性に寄り添う新しい「そうだ 京都、行こう。」の空気感を作り上げています。