凶行に使われたパラコートは、当時極めて一般的な除草剤として農家を中心に広く普及していた。製造元である日本農薬株式会社をはじめとする農薬業界は、自社製品が凶悪犯罪に悪用されたことで甚大な打撃を受け、製品の管理体制や成分の見直しを余儀なくされた。
この事態を受けて行政も迅速に動き、毒物劇物取締法の強化やパラコート製品の希釈・減毒化、さらには誤飲防止のための着色や強い刺激臭の付与といった対策が講じられた。一連の法改正と業界の対応は、有害物質の流通管理における歴史的な転換点となったが、犠牲となった人々の命が戻ることはなかった。