ハードボイルドなスパイアクションの側面に、極上のユーモアと温もりを注入したのが、協力者・ドラム(富栄ドラム)との関係性だ。言葉を話さず音声アプリを介して会話するドラムと、それを手足のように信頼し使いこなす野崎のやり取りは、重厚なドラマにおける絶好のオアシスとなっていた。
肉まんを頬張るドラムに目配せする茶目っ気や、命懸けの現場で阿吽の呼吸を見せる絆。国家の命運を背負う緊迫感の中で垣間見えるこの「信頼の空気感」が、視聴者に深い愛着を抱かせた。殺伐とした情報戦の世界で、彼らのやり取りは人間性の温かさを証明する貴重な灯火だったと言える。