ドラマ『100万回言えばよかった』の最大の謎であり、物語を駆動させた核心が「鳥野直木はなぜ死んだのか」という凄惨な事件の全貌です。直木(演:佐藤健)は、恋人である相馬悠依(演:井上真央)へのプロポーズを決意したまさにその日、忽然と姿を消しました。彼を死に至らしめた真犯人の正体は、子どもたちに慕われる温厚な学習塾経営者・池澤英介(演:荒川良々)でした。
事件の背景には、武藤千代(演:神野三鈴)が主導する未成年者を利用した違法な窃盗・売春グループの存在がありました。かつて経済的困窮に陥っていた英介は、千代の犯罪ネットワークに加担し、学習塾を犯罪の拠点や資金洗浄の温床として提供していた過去を抱えていました。
過去の悪事に巻き込まれ命の危険を感じていた被害者・高原涼香(演:近藤千尋)が、英介を脅迫して金を要求した際、追い詰められた英介は別荘で涼香を絞殺。直木は、かつて自分が里親のもとで共に過ごした少年・尾崎莉桜(演:香里奈)らの異変に気づき、独自に真相を調査する過程で英介の関与に辿り着きました。
直木は英介に対し自首を強く勧めましたが、自身が築き上げた「誠実で優しい教育者」という社会的地位と平穏な生活が崩壊することを恐れた英介は逆上。直木を背後から凶器で刺殺し、遺体を人里離れた冬の山林へと遺棄したのです。教育者の仮面の裏に隠された極めて身勝手な自己保身こそが、無実の直木を理不尽に葬り去った動機の全容でした。