表現者としての彼の衝動は、音楽の世界でも激しく昇華されている。デビューアルバム『SYRE』をはじめとする作品群で見せたサイケデリックでエモーショナルなヒップホップは、音楽シーンからも高い評価を獲得した。父譲りのリズム感に現代的なオルタナティブサウンドを掛け合わせたスタイルは、音楽家としてのジェイデン・スミスの真骨頂と言える。
スミス家の音楽的才能は、彼一人に留まらない。異母兄であるトレイ・スミスもまた、DJや音楽プロデューサーとして第一線で活動を続けている。兄弟間で刺激を耐え間なく与え合い、互いのクリエイティビティを高め合う関係性は、スミス家というクリエイティブ一族の底知れぬ層の厚さを象徴している。