長征7号Aが運ぶペイロードの中身を紐解くと、中国の国家戦略が極めて立体的に浮かび上がる。一つは、急速に整備が進む独自の低軌道・中軌道・静止軌道複合型通信コンステレーションだ。すでに民間通信や離島・洋上でのデータインフラとして実用化が進むほか、一帯一路の沿線国へのインフラ提供という経済外交の切り札としても活用されている。
しかし、より防衛関係者が注視しているのは軍事利用の側面だ。高解像度の光学・SAR(合成開口レーダー)衛星や、ミサイル発射を極低遅延で感知する早期警戒衛星の静止軌道配備が、長征7号Aのパワーによって加速している。東シナ海から太平洋全域に至る領域での広域監視ネットワークは、すでに隙のないレベルへと達した。