伊藤英明のフィジカルに対する意識が劇的な変化を遂げた背景には、近年のグローバル作品での経験がある。とりわけ大きな転機となったのが、HBO MaxとWOWOWの共同制作による日米合作ドラマシリーズ『TOKYO VICE』への出演だった。
マイケル・マンをはじめとするハリウッドの巨匠たちが指揮を執る現場で、彼は世界基準の映像表現とキャラクター造形の厳しさを身をもって体験する。単に見た目が格好いいだけのアクションは求められない。画面に映し出された瞬間、その人物が生きてきた過酷な年月や痛みが肉体そのものから匂い立つようなリアリティ――それこそがハリウッド基準だった。この海外現場での刺激が、彼の俳優としての姿勢をさらに進化させたのは間違いない。