タイトルに「鎮魂歌(レクイエム)」と冠されている通り、本作は登場人物たちが己の信念に従っていかに散っていったかを描く物語でもあります。物語を彩った主要人物の死没経緯と、完結巻で描かれた結末を振り返ります。
散りゆく隊士たちの最期(主要キャラクター死亡一覧)
作中で描かれた主な死没シーンは以下の通りです。
- 新見錦:芹沢派の参謀格。試衛館組の策謀とプレッシャーにより、切腹へと追い込まれる。
- 芹沢鴨:八木邸にて土方歳三ら試衛館組と激突。圧倒的な武勇を示しながらも、土方の執念の前に敗北し散る。
- 山南敬助:新撰組総長。組織の軍事化と過酷な掟に苦悩し、脱走を図る。沖田に連れ戻された後、近藤や土方の覚悟を受け止め、穏やかに切腹を遂げる。
- 藤堂平助:伊東甲子太郎の御陵衛士に参加するも、油小路の変で新撰組と衝突。かつての仲間たちに囲まれ、刀を交えながら壮絶に戦死。
- 近藤勇:戊辰戦争の敗色濃厚となる中、下総流山で新政府軍に捕縛。武士としての誇りを保ち、板橋の刑場にて斬首される。
- 沖田総司:労咳(結核)に侵され戦線離脱。最期まで土方たちと共に戦うことを望みながら、江戸の千駄ヶ谷にて静かに息を引き取る。
- 佐々木只三郎:鳥羽・伏見の戦いにて銃弾を受け致命傷を負い、新撰組の行く末を案じながら散華。
結末ネタバレ:箱館・五稜郭での土方歳三の最期と「ちるらん」の意味
物語のクライマックスは、戊辰戦争の最終局面である箱館戦争です。近藤を失い、沖田を失い、それでもなお「武士の時代の終わり」に抗い続けた土方歳三は、五稜郭を拠点に旧幕府軍の陸軍奉行並として戦場を駆けます。
新政府軍の圧倒的な物量と近代兵器の前に味方が倒れる中、土方は単身、馬を駆って敵陣へと突撃。全身に無数の銃弾を浴びながらも、最後まで「天下無双の喧嘩屋」としての笑みを絶やさず、戦場に散っていきました。大正の小樽でその死を語り終えた老年の永倉新八は、散っていった友たちの生き様こそが何物にも代えがたい「美しく散った花(ちるらん)」であったと締めくくります。読者コミュニティでも「全36巻を追い続けて本当によかった」「涙なしには読めない最高の最終回」と絶賛の嵐が巻き起こりました。