SNSや料理掲示板では「ほんだしにごま油を混ぜれば完全に鶏ガラスープになる」といった言説が広く拡散されています。しかし、調理現場での実食検証を行うと、いくつかの注意すべき落とし穴が浮き彫りになります。
まず、ほんだしの主成分である鰹節粉末は、加熱しても消えない特有の燻製香(燻香)を持っています。薄味のわかめスープや淡麗な炒め物にほんだしを多用すると、ごま油を加えてもカツオの風味が前面に主張し、「中華風うどんのつゆ」のような和風テイストに着地してしまいます。ほんだしを代用する際は、指定分量の3分の1程度に抑え、オイスターソースや醤油、ニンニクといった自己主張の強い調味料と併用することが鉄則です。
もう一つの落とし穴は、固形キューブタイプのコンソメを使用する際の分量換算ミスです。固形コンソメ1個は約5.3gで、顆粒の鶏ガラスープの素小さじ2杯分(約5〜6g)に相当します。レシピに「鶏ガラスープの素 小さじ1」とあるのに固形コンソメを丸ごと1個投入してしまうと、塩分濃度が跳ね上がり、料理全体が塩辛くなって破綻します。固形を使う際は包丁で刻んで3分の1程度を使用するか、お湯で溶いて計量する慎重さが求められます。