物語を駆動するダークサイドの立役者たちも、歴代投票および現行の議論において主役級の存在感を誇ります。
まず、読者から絶大な支持を集める幻影旅団人気ランキングに目を向けると、団長であるクロロを筆頭に、冷酷な拷問官でありながら仲間思いな一面を見せるフェイタン、直感に優れた武闘派のマチ、天然ボケな一面と非情さを併せ持つシズクが上位の常連です。連載が進む中で描かれた第395話〜第397話の流星街過去編では、演劇を通じて無邪気に笑い合っていた少年少女たちが、親友・サラサの無惨な惨殺を契機に「悪党として世界を恐怖させる」ことを誓い合った痛切な過去が白日の下に晒されました。この描写により、単なる残虐な犯罪者集団から「虐げられた共同体の悲哀を背負う者たち」へと読者の受け止め方が深化し、団員全体への愛着が一気に加速しました。
その旅団と死闘を繰り広げるヒソカの評価とネットの反応もまた、極めて興味深い推移を辿っています。天空闘技場でクロロに完全敗北を喫した直後、マチの治療を拒絶して自力で蘇生し、「今からどこで誰と遭っても その場で殺すまで闘ることにする」と宣言したヒソカ。シャルナークとコルトピを瞬殺した展開に対しては、SNS上で「ダサい」「以前の美学を捨てた」と批判的な声が上がった一方で、「なりふり構わぬ本物の殺人鬼に戻った」「ルール無用の殺し合いの凄みが出た」と絶賛する意見が衝突しました。予測不能な行動規範を保ち続けるヒソカは、賛否両論を巻き起こすことで今なお最強のバイプレイヤーとして君臨しています。
そして、敵役のドラマとして漫画史に残る傑作となったのが、メルエムとコムギ人気の経緯です。暴虐の限りを尽くす生物の頂点として生を受けた蟻の王メルエムが、盲目の少女コムギとの軍儀を通じて「力とは弱者を理不尽に踏みにじるためのものではない」と悟り、人間性を獲得していく過程。毒に侵され、残された最期の時間を暗闇の中で手を取り合って過ごした最期は、単なる敵と味方の戦闘を超えた究極の愛の形として、連載から長い年月を経た今もファンの間で伝説として語り継がれています。