女優としてひとつの頂点を極めた作品として外せないのが、1984年公開の金字塔的映画『Wの悲劇』だ。劇中で圧倒的な存在感を解き放つ大女優・羽鳥翔役を演じ切り、圧巻の演技力で観客と批評家を一挙に唸らせた。
自らの地位とプライベートを守るためなら手段を選ばない凄み、それでいて芸の魔力に憑りつかれた女の業を見事に体現。この熱演により、第8回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞をはじめとする数々の映画賞を総なめにした。「女優が女優を演じる」という極めて難易度の高い役どころを、凄惨なまでのリアリティと美しさで昇華させた演技は、今なお邦画史に残る名演として語り継がれる。