ネット上には「化粧まわしは廻しの一種で、取組中も着けている」という誤解が散見されるが、これは明白な誤りだ。化粧まわしは土俵入り専用であり、取組では外して締め込みだけで戦う。また「化粧まわしは自由に購入できる」という認識も正確ではない。職人への直接発注は技術的には可能だが、相撲部屋や後援会を通さない個人製作の品を関取が土俵入りで締める例は極めて稀だ。
もう一つの盲点は「化粧まわしは軽い」というイメージだ。実物に触れた関係者の証言によれば、金銀糸を密に刺した一着は幼児一人分ほどの重さになることもある。土俵入りの四股や塵手水の所作は、この重さを身に着けたまま優雅に見せる技術でもある。