煌びやかな山車に目を奪われがちだが、この祭りの核にあるのはどこまでも真摯な神事である。おがみ神社、新羅神社、神明宮の三社の神輿が市内を渡御する行列こそが、祭りの歴史そのものだ。
行列の先頭を切る「虎舞(とらまい)」の愛らしさと力強さにも注目したい。頭を噛まれると無病息災で過ごせるという言い伝えがあり、子供たちの歓声と悲鳴が沿道に響き渡る。笹ノ葉を食むような仕草、アクロバティックな躍動。何世代にもわたって地域で大切に育まれてきた伝統の所作が、目まぐるしい現代社会の中でも色あせることなく脈打っている。