時計の針を少し巻き戻す。2000年代初頭、スノーボード・ハーフパイプ界に彗星のごとく現れた今井メロは、圧倒的な跳躍力と技術で全日本スキー連盟の強化指定選手となり、世界を舞台に快進撃を続けた。10代半ばで頂点を極めた少女にとって、雪上はすべてを支配できる聖域だったはずだ。
だが、2006年のトリノオリンピック。日本オリンピック委員会の期待を一身に背負って挑んだ大舞台で、彼女を待っていたのは無情な転倒と大バッシングだった。一瞬のミスが人生を暗転させる。ウィンタースポーツ界の寵児から一転、容赦ない批判の的に晒された彼女は、心の拠り所を求めて夜の街や波乱の人間関係へと足を踏み入れていくことになる。