もみじ調理の成否は、調理前の下処理で9割が決まるといっても過言ではありません。「生臭さが残って食べられなかった」「食感が固くて楽しめなかった」という失敗例のほぼ全域が、最初のクレンジング工程の省略に起因しています。
最も重要な最初のステップが、鶏もみじの爪の切り方です。もみじの先端には鋭い爪先と角質が残っています。包丁で叩き切ろうとすると骨が硬く滑って危険なため、家庭用の頑丈なキッチンバサミを使用するのが鉄則です。爪の付け根にある第1関節の少し上をハサミで挟み、テコの原理でパチンと切り落とします。黄色い硬い皮や足裏の黒いタコ(足裏の角質斑)が残っている場合は、包丁の刃先で丁寧に削ぎ落とすことで、仕上がりの雑味が劇的に軽減されます。
続いて欠かせないのが、塩もみと鶏もみじの臭み取り・下茹でのプロセスです。下処理の全手順を以下に整理しました。
- 粗塩による洗浄:ボウルにもみじを入れ、大さじ2杯程度の粗塩を振って揉み洗いします。皮表面のぬめりと汚れを吸着させ、流水で一気に洗い流します。
- 沸騰湯でのアク抜き:たっぷりの湯を沸かし、もみじを投入して強火で再沸騰させます。大量に出てくる灰汁(アク)と油膜を排出しながら、約3分〜5分間グラグラと茹でこぼします。
- 冷水での徹底洗浄:ザルにあげたら、すぐに氷水または流水に落とします。指先で関節の溝や皮の隙間を優しくこすり洗いし、凝固した血液や残余の皮膜を完全に取り除きます。
- 香味野菜との本下茹で:鍋に水、長ネギの青い部分、叩き潰した生姜、酒を加え、弱火で15分〜20分ほど茹で上げます。この段階で余分な脂と獣臭が抜け、料理を選ばないクリアな素材へと昇華します。