烏丸先生の実写再現度を語る上で欠かせないのが、劇中で炸裂する本格的な烏丸先生 アクションシーンです。特に第1作で描かれた、腕利きの刺客・鷹岡明(高嶋政伸)とのナイフ格闘戦や、E組生徒たちを圧倒的な体術で指導する訓練シーンは、観客の度肝を抜きました。
映画公開当時の特別インタビューや製作発表会見の記録によると、椎名桔平は撮影当時50歳という節目を迎えていました。にもかかわらず、激しい肉弾戦やアクロバティックな身のこなしをスタントマンに任せきりにせず、可能な限り自らの肉体を使って演じることにこだわったといいます。自衛隊の特殊部隊出身という原作の設定を愚直にリスペクトし、撮影前からパーソナルトレーニングによる徹底したシェイプアップと格闘技の指導を受けて現場に臨んでいました。
映画監督の羽住英一郎氏は『海猿』シリーズや『MOZU』など、ハードなアクション演出に定評のあるフィルムメーカーです。その羽住監督が要求するミリタリーグレードのシビアなアクション要求に対し、椎名は一切の妥協を見せませんでした。ナイフを逆手に構えるフォーム、重心の低いフットワーク、相手の攻撃を最小限の動きで受け流す体幹の強さなど、スクリーン越しにも「本当に強い人間がそこにいる」と感じさせる凄みを放っていました。
完成披露試写会において共演した山田涼介や菅田将暉ら若手キャスト陣からも、「桔平さんの動きのキレが凄すぎて、生徒として対峙したときに本能的な恐怖と憧れを同時に抱いた」といった生の証言が相次ぎました。CG処理が前提の黄色いタコ型生物(殺せんせー)が跳梁跋扈するファンタジックな設定の中で、椎名桔平の重厚な肉体性と生々しいアクションがアンカー(錨)の役割を果たし、物語のリアリズムを強固に支え続けたのです。