高校在学中の2001年に『インストール』で第38回文藝賞を受賞(当時17歳)し、鮮烈な文壇デビューを飾った綿矢りさ。続く2004年、早稲田大学教育学部在学中に発表した『蹴りたい背中』で第130回芥川龍之介賞を19歳11か月という史上最年少記録で受賞しました。金原ひとみ『蛇にピアス』とのダブル受賞は、単なる文学ニュースの枠を超え、単行本発行部数が100万部を突破する一大カルチャー現象へと発展しました。
それから20年以上の歳月が経過した現在、彼女の創作活動はさらなる円熟期を迎えています。デビュー初期に評価された思春期特有の皮膚感覚や繊細な自意識の描写は、年齢と経験を重ねるごとに「人間の滑稽さ」「女性の内面に潜む狂気とエゴ」「社会規範への痛快な違和感」を暴き出す強靭な筆致へと深化を遂げました。
2026年代に入ってからの彼女は、中国・北京での滞在経験をユーモアとスピード感あふれる文体で描いた『パッキパキ北京』の刊行や、精力的な短編小説・エッセイの執筆を継続しています。公式インタビューや書評メディアの取材に対し、彼女は「年齢を重ねるごとに、自分の内側だけでなく外の世界の理不尽さや面白さを言語化する喜びが増している」と語っており、その創作意欲は留まるところを知りません。