本作の撮影現場において、主演を務めた岡田准一のストイックな姿勢は子役たちにも計り知れない影響を与えていた。徹底した時代考証と身体表現の探求で知られる岡田は、自らの殺陣や所作に妥協を許さないだけでなく、現場に立つすべての共演者に対して真摯に向き合い続けた。
若山をはじめとする子役陣に対しても、単なる子ども扱いではなく、一人の表現者としての自覚を求める空気感が共有されていた。特に、父・官兵衛が幽閉の危機に瀕し、人質となった松寿丸が決死の覚悟を示す緊迫の場面では、岡田が放つ圧倒的な気迫が子役の潜在能力を限界まで引き出したと伝えられている。カメラが回っていない時間にも交わされた視線や立ち居振る舞いの指導が、劇中の父子関係に血肉を通わせたのは紛れもない事実である。