ネット上の情報では「北枕にするだけで人生が劇的に好転する」「南枕は絶対悪」といった極端な言説が散見されるが、これは明らかなミスリードである。方位の持つ影響力は確かにあるものの、それは「快適な睡眠の基礎条件」が満たされて初めて発揮される増幅装置にすぎない。
睡眠環境学において、快眠を支える最優先事項は「遮光性(完全な暗闇)」「温湿度管理(室温18〜22度・湿度50〜60%)」「遮音性」の3点である。例えば、北枕にするために窓際にベッドを寄せて街灯の光が顔に当たる状態になっては本末転倒だ。
また、現代の住宅環境で見落とされがちなのが「コンセントや配電盤からの電磁波ノイズ」である。頭のすぐ近く(30cm以内)にスマートフォンの充電器やWi-Fiルーター、壁内配線が集中していると、微弱な電磁ノイズが生体リズムを狂わせる原因になる。方位を微調整する前に、まずは頭周りの電気製品を1メートル以上離すことが先決である。