直訳すると「酔っ払ったハマグリ」となる「the drunken clam」。この風変わりなネーミングには、作品が拠って立つロードアイランド州の文化と、制作者の鋭いユーモア感覚が凝縮されています。
ロードアイランド州を含むニューイングランド一帯は、名物のクラムチャウダーや「クアホグ(Quahog)」と呼ばれる大型の二枚貝で有名です。街の名前自体が貝の名称であることから、地元の酒場に「Clam」の名を冠するのは極めて自然な地域的記号といえます。
しかし、セス・マクファーレン作品の真骨頂はそれだけにとどまりません。英語圏のスラングにおいて「clam」は女性器を暗喩する隠語としても知られており、作中の過激な下ネタやクアグマイアのキャラクター造形とも絶妙に共鳴するダブルミーニング(二重の意味)が仕組まれています。表向きは「泥酔した貝」というユーモラスな看板を掲げつつ、裏では大人のきわどいジョークを含ませる構造こそが、長年ファンをニヤリとさせてきた秘訣です。