京都の治安史を語る上で避けて通れないのが、36名もの尊い命が奪われた2019年の京都アニメーション放火事件です。裁判員裁判において被告の完全責任能力が認められ死刑判決が言い渡された経緯は、重大犯罪における精神鑑定のあり方や、犯罪被害者参加制度の重要性を社会に深く刻み込みました。
一方で、依然として解決の糸口が見出せていない未解決事件も存在します。2007年に左京区で男子大学生が刃物で刺殺された「京都精華大生通り魔殺人事件」をはじめ、京都府警は専従捜査班を維持し、最新の科学捜査技術を駆使して物証の再鑑定や目撃情報の精査を続けています。
過去の重大事件から得られた知見は、防犯カメラネットワークの拡充やDNA型鑑定の迅速化といった形で現代の捜査に活かされています。しかし、どれほど技術が進歩しても、初期捜査における初動の遅れや地域情報の途絶が迷宮入りの原因となる教訓は、現在も捜査本部に重くのしかかっています。