薬味として欠かせない生姜ですが、調理の最初からすべて鍋に放り込んでしまうのは芳香成分を無駄にする典型的な誤りです。
生姜に含まれる「ジンゲロール」は熱を加えると消臭効果を発揮しますが、香気成分である「シネオール」などは長時間の加熱によって空気中に揮発してしまいます。プロの現場では、スライスした生姜の半分を煮始めに投入して魚の消臭に使い、残りの千切り(針生姜)やすりおろし生姜を火を止める1〜2分前に投入します。こうすることで、魚の臭みを抑えつつ、食べた瞬間に広がる爽快な風味を両立させることができます。
また、落とし蓋(クッキングシートやアルミホイルで代用可能)は単に具材を押さえるためのものではありません。少量の煮汁を蒸気とともに効率よく対流させ、魚の上部まで煮汁を行き渡らせるポンプの役割を果たしています。落とし蓋の中央に直径1cmほどの空気穴を開けておくことで、吹きこぼれを防ぎながら煮汁の濃度を均一に詰めていくことが可能です。