伊藤が活動を自粛する中、一人残された国崎の行動は芸能界およびお笑いファンの間で驚きと賞賛をもって受け止められました。国崎は活動を縮小させるどころか、単独でのメディア露出を劇的に加速させたのです。
バラエティ番組では、これまでコンビで見せていた制御不能な暴走芸をさらに先鋭化させました。伊藤のトレードマークである「おかっぱ頭」や黒ジャケットの小道具を舞台上に持ち込んだり、不在の相方をネタにしたメタ的なボケを連発するなど、タブー視されがちな「相方の不祥事」を笑いのエネルギーへと強引に転換してみせました。
現場の共演芸人や番組プロデューサーからも、国崎の対応力に対して極めて高い評価が集まっています。ある民放キー局のディレクターは次のように語っています。
「相方が謹慎に入ると、残された側はどうしても深刻な表情になり、扱いづらい空気が漂ってしまうケースが多い。しかし国崎さんは、その重苦しい空気を自ら破壊し、現場の演者やスタッフを笑わせることで番組を成立させている。これは誰も真似できない胆力とプロ意識です」
ファンの反応も変化しました。当初は「伊藤がいなくなって漫才ができないのではないか」という悲嘆の声が支配的でしたが、国崎の獅子奮迅のピン活動を目撃するにつれ、「国崎がここまで身体を張ってコンビの居場所を守っているのだから、ファンも伊藤の復帰を信じて待とう」という連帯感がコミュニティ内に醸成されていきました。国崎の狂気的なパフォーマンスは、ランジャタイという船を沈没から救う最大の防波堤として機能しています。