ホワイマンが数千年前に全地球規模でメデューサを作動させ、全人類を石化させた動機は、人類を滅亡させる「悪意」ではありませんでした。その根底にあったのは、機械生命体特有の極めて合理的な「共生と増殖のロジック」です。
メデューサは自律的に部品を交換したり、エネルギー源である中心部の「人工ダイヤモンド」を製造したりすることができません。そこで、高度な知能と科学力を持つ地球人類に目をつけました。
ホワイマンの論理では、生物にとって最大の恐怖である「死」を克服させる「石化による不老不死の肉体」を人類へのギフト(報酬)として提示。その代わりに、目覚めた人類が自らを崇め、メンテナンスや量産を行ってくれる共生関係を期待していたのです。
しかし、人間は石化すると脳の思考を保ち続けない限り意識を失い、文明が完全崩壊してしまいます。ホワイマンには「意識が途絶えれば機械のメンテナンスなど不可能になる」という生物の限界が理解できず、結果として3700年もの間、地球文明を凍結させてしまうという致命的なすれ違いが生じていました。